アロッタファジャイナ番外公演「クリスマス、愛の演劇祭」

えーと、先週、観てきました。

姉組、弟組、藤澤組を1公演づつ、松枝組、新津組はレースの都合もあって2公演、野木組は3公演、観てきました。

弟組は、「日本語をつかわない」という実験的な試みにチャレンジ。
物語を紡ぐ日本語を捨て去ることで、物語の主役は「人間」であるということを浮き彫りにしようとしたとのことですが、日本語を捨て去ったことで、余計に役者の表現の力量がクローズアップされるという感じになっていました。確かに「人間」にフォーカスは移動して入るんですが、そこでどこまで「表現」というものができたかは疑問です。
「怒り」「悲しみ」なんていう一次的な感情の表現には成功していたと思うのですが、より複雑な感情、たとえば、ミサンガを編む、自転車をこぐなんていう労働に伴う感情があまりつたわってこなかったのが残念でした。

姉組。シンプルな構造の物語に、歌、踊りなんかのエンターテイメントを取り入れてみせる感じ。物語の構造がシンプルだけに、歌や踊りのちょっとした冗長感(尺の長さだったり、ダンスのキレだったり...)が、小粋さを殺してしまっているように感じました。
「45分」ではなく、もっと短くしたほうが面白いんじゃないかって気も。

藤澤組。夏の公演は猫と相性が良くなかったですが、今回は面白かったです。
「北風ビュービュー」さんの歌もなかなか。
ハルさんの名札の名前がかなりツボでした(笑)

新津組。今回も面白かったです。
ものすごくつくりこまれているのですよ...あちこちに伏線もあって、それが最後にむかって収束していくプロセスは一種、本格的な推理小説を読んだ時の快感に通じるものがあります。
紅一点の森田さんのキャラもなかなか素敵ですね。
2回みましたが、最初に観た日のチューニングのあってないギターでたどたどしい感じで演奏される高校野球のテーマソングがよかったです(2回目はチューニング合いすぎてて、ちょっと...)。

松枝組。松枝さんが「これが面白くなかったら、今後、松枝の書くものはみなくていい!」と言い切っただけあります。面白い脚本です。それを演じた役者陣もよかったです。
ミッチさんの安定感は期待通りでしたが、男性陣が特によかったです。
客演の原田さんはいうことなしだし、峯尾晶さんがよかったです。
夏公演では、線の細さや、台詞の処理がちょっと「?」って感じたのですが、この脚本ではその雰囲気がすべていい方に作用していて、「壊れそうなほど繊細な心をもった芸術家の卵」そのものに見えました。これまでアロッタの舞台に出演したどの役者さんを連れてきても、彼以上にこの役にハマル人はいないんじゃないか?ってな感じを受けたりも。
主演?の安川結花ちゃんに関しては、猫の個人的な感想では、「あと7,8年後にこの役やる結花ちゃんをみたい」と言った感じです。実年齢との差のせいもあるんでしょうが...。
彼女の演じる「白」は、無垢な白という感じなのです(「偽伝、樋口一葉」のくうちゃん、「1999.9年」などでは、その破壊力が最大に発揮されています...。)、今回の鎖雪役では、それこそ「スノーグレーズで描かれた白」というか、「ナニカ」を覆い尽くした白というか...そういうものが観たかった気がします。ま、あんな役できる人はそんなにいない(たとえば、葵ちゃんをつれてきても、前半はいいとしても、後半が??ってな感じになるだろうし...。)とおもうので、結花ちゃんの数年後に期待をしたいのです...。

野木組。大人の童話....とでもいうのかな。
野木君が書く詩や絵の世界が舞台になった感じです。
前作「月落トのみなも」は、もっと長いサイズでみたかったですが、今回のはもっと短いサイズでみたいと感じました。もっともっと自由に...。説明なんかいらない、ただ、目の前で描かれるシーンで、それぞれの人がいろいろ感じることで「物語」を自分の中につくればいい...そういう風にみたいなと。
BGMに新鮮さがないのが、唯一残念でした。「G線上のアリア」とか、美しい曲ですが、あまりにも使われすぎていて....。
吉松隆さんの音楽(特に小品、「プレアデス舞曲集」とか..)の雰囲気も合うかもしれないなぁなんてことも思ったり。
滝野裕美さん、「1999.9年」で初めてお見かけしたときに、「オモチャみたいな人だなぁ。」とおもったのですが(「1999.9年」では、UFOキャッチャーでつかまれてましたし...笑)、そのままの役...これもタッキーさん以外に、あそこまでハマる人はいないですね。きっと。

いろいろ偉そうにかきましたが、ぜんぶ正直な猫の感想です。
次回、その次の公演も楽しみにしています...。
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by nekokasiya_net | 2007-12-18 12:43

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